日本初の地下鉄として1927年に開業した銀座線の血統を引き継ぐこの場所は、建築工学的にも異例の構造を持つ。浅い位置を走る銀座線のすぐ下に丸ノ内線が潜り、さらにその深部を日比谷線が貫く。この3層構造の隙間に、21世紀の最新通信インフラと送排気システムを組み込む作業は、まさに針の穴に糸を通すような精密さが求められた。
「深夜のわずか3時間の作業時間枠で、大正・昭和のコンクリート構造を痛めずに最新センサーを取り付ける。狂気にも似た精度が現場にはある」。保線作業のベテランエンジニアは静かに胸を張る。見えない部分での技術革新こそが、この過密ダイヤを支える真の柱なのだ。