FP2級の実技試験において、合否基準は「満点の60%以上(きんざいは50点満点中30点以上、日本FP協会は100点満点中60点以上)」と明確に定められています。それにもかかわらず、各大問や小問の配点基準を頑なに非公開とし続ける背景には、国家資格試験としての運用上の必然性が隠されています。
試験関係者や資格指導の専門家が指摘する最大の要因は、「試験難易度の事後調整(テスト・イコライティング的機能)」の担保です。FP試験は年3回(あるいはCBT化に伴う随時実施)開催されており、実施回ごとに問題の難易度が微妙に上下します。あらかじめ固定された配点を公に固定してしまうと、特定の回の合格率が極端に乱高下し、国家資格としての信用性が揺らぎかねません。あえて配点を公表しないことで、全体の得点分布や平均点を見ながら、難問や没問が生じた際の調整余地を残しているのが実態です。
さらに、法改正への対応スピードという実務的な理由も無視できません。税制や社会保険制度は頻繁に法改正が行われるため、出題ミスや複数解の解釈が生まれるリスクが学科試験よりも高くなります。公式見解として配点を固めない構造は、万が一疑義が生じた際にも試験全体の整合性を維持するための組織防衛策とも評されています。