動画配信サービスやSNSを通じて世界中に拡散された韓国の食事配信文化、いわゆるモッパン韓国語表現は、日常会話の語彙にも急速な変化をもたらしています。従来の教科書には掲載されていない鮮度の高い口語表現が、現地の若者の間で定着しています。
数年前に大流行した頭文字スラング「JMT(ジョンマッテン / 존맛탱:ものすごく美味しい)」は、現在ではやや一巡し、定着語として扱われる一方で、若者たちの口からはより感情の高ぶりを直接示す表現が飛び出しています。その代表格が「ミチョッタ(미쳤다)」です。本来は「狂った」を意味する言葉ですが、一口食べて「うわ、これヤバい、狂ってる」と理性を失うほどの美味を形容する際に頻用されます。
さらに、食欲が完全に解放されて食べる手が止まらなくなった状態を指す「イプ トジョッタ(입 터졌다)」や、伝統的な調理法を守り抜く名店の味を讃える「クンボン(근본 / 根本・本物の意)」など、料理の背景や食べる側のテンションを細分化して描写するスラングが支持を集めています。咀嚼音を強調しながら豪快に食べるモッパンカルチャーの影響により、味覚そのものだけでなく、高揚感や没入感を表現するボキャブラリーが豊かに拡張されているのが特徴です。