不動産売却を検討する売主にとって最も警戒すべき問題が、自社で買主と売主の双方から手数料を得ようとする「両手仲介」を目的とした物件情報の隠蔽、いわゆる「囲い込み」です。ネット上では長年、三井のリハウスにおける囲い込みの噂の真相を巡って激しい議論が交わされてきました。
結論から言えば、現在の三井不動産リアルティにおいて組織的かつ悪質な囲い込みが行われている可能性は極めて低いと言えます。その決定的な理由は、業界最大手としてのコンプライアンス体制とレインズ(指定流通機構)のステータス管理義務化です。現在では、売主自身がレインズ上で自社物件の取引状況(公開中・書面による購入申込みあり・売買契約締結済みなど)をリアルタイムで直接確認できるようになっており、他社からの内見依頼を意図的に断る不正はシステム上、極めて発覚しやすい構造になっています。
ただし、同社は年間数万件に及ぶ購入希望者の巨大な見込み顧客リストを自社内で保有しているため、三井のリハウスで専任媒介契約を結んだ場合、レインズに掲載して他社経由で買主を見つける前に、自社の既存顧客から即座にマッチングが成立するケースが多々あります。これが外部から見ると「自社完結=囲い込みではないか」という疑念を生む構造的背景となっています。
一方、もうひとつの関心事である三井のリハウスの仲介手数料の値引きについてはどうでしょうか。法定上限額である「成約価格の3%+6万円+消費税」からの割引について、現場の営業担当者は明確に口を揃えます。
「正規の手数料をいただく前提で、建物・設備の詳細な検査や最長2年間の補償サービス、トラブル時の法務サポートを無償で提供しています。正当な理由のない単なる値引き交渉には原則として応じておりません」(大手仲介関係者)
例外として、三井不動産グループの提携企業割引やリピーター特典、住み替え時の特典プログラムなどが適用されるケースはあるものの、格安手数料を売りにするネット専業仲介のような一律の値引き交渉は極めて困難であると認識しておく必要があります。