ネット上の旅行まとめ記事では「塩原温泉はバスだけで楽々巡れる」と単純化されがちですが、これには重大な抜け落ちが存在します。現場でトラブルに巻き込まれないために知っておくべき、3つの誤解を正します。
誤解1:すべてのバスで交通系ICカードが自由に使える?
これは明らかな誤認です。JRバス関東塩原線(那須塩原駅〜塩原温泉バスターミナル)では全国相互利用ICカードが利用可能ですが、温泉街のさらに奥、新湯温泉や元湯温泉の入口へ向かう「那須塩原市営ゆ~バス」や、季節限定のローカルシャトルでは、現金精算のみ、あるいは専用回数券・特定アプリ決済のみという運用が依然として残っています。小銭を持たずにICカードやスマホのタッチ決済だけに依存していると、車内で両替に手間取り、運行遅延を引き起こす要因となります。
誤解2:バスターミナルから各旅館まではすべて徒歩圏内である?
塩原温泉は単一の温泉街ではなく、箒川沿い約6kmにわたる「十一湯」の総称です。バスターミナルがあるのは中心部の「門前・古町温泉」エリアであり、例えば名湯として名高い「福渡温泉」や「塩釜温泉」はバス停数個分東京寄り、「新湯温泉」や「元湯温泉」は標高の高い山奥に位置します。自分の宿泊先がどの地区にあるかを正確に把握せず、「終点のターミナルまで行けばどうにかなる」と思い込んでいると、宿まで数キロの坂道を歩く羽目になります。
誤解3:乗り場案内を見れば誰でも直感的に乗り継げる?
現地の塩原温泉バスターミナル乗り場案内は、限られた敷地内に複数のポールが近接して立っています。「上り(那須塩原駅方面)」と「下り(バスターミナル止まり)」の車両の回転動線、さらには市営ゆ~バスの折り返し待機列が錯綜するため、初めて訪れる人が発車時刻直前に飛び乗ろうとすると、逆方向の便に乗ってしまうリスクがあります。乗車前には必ず行先表示幕を確認し、ドライバーに行先を一声かける慎重さが必要です。