東京都豊島区に位置する巣鴨といえば、「おばあちゃんの原宿」という愛称で長く親しまれてきた。だが現在の巣鴨は、古き良き味わいを愛するZ世代や外国人観光客も入り交じる多層的なカルチャーの拠点へと進化を遂げている。地域美化や各種イベントの開催で街の賑わいを支える巣鴨地蔵通り商店街振興組合の歩みとともに、このエリアは常に温かい人情味を保ち続けてきた。
めまぐるしく変化する飲食業の波のなかで、独自の美学を守り抜いているのが店舗を支える店主・オーナーだ。店内に並ぶアンティーク家具や飾られた照明器具は、長年かけて少しずつ整えられてきたこだわりそのもの。琥珀色の光が照らすテーブルに腰を下ろすと、日常の喧騒が嘘のように消えていくのを感じる。