ドラマの世界にとどまらず、現代の社会心理学や組織行動論においても、集団内にネガティブな言動を取る個人が存在する場合の影響は真剣に研究されています。海外では同様の現象が「腐ったリンゴの法則(The Bad Apple Effect)」として知られています。
組織心理学者ウィル・フェルプス(Will Felps)らの研究によると、チーム内に「あからさまにやる気を見せない者」「攻撃的・侮辱的な態度を取る者」「愚痴や不満を撒き散らす者」がたった一人存在するだけで、グループ全体の生産性と協調性は30〜40%低下するという実験結果が報告されています。ネガティブな感情や態度の伝播は、心理学的に強い悪影響を集団にもたらすことは事実です。
しかし、ここで立ち止まる必要があります。「悪影響があるから即座に排除すれば解決するのか」という点です。心理学のさらなる知見では、問題行動を起こす個人の背景には、組織側の不公正な評価体制やコミュニケーション不全、孤立感などの環境要因が深く絡んでいるケースが大半であることが分かっています。