デジタル画面で日常的に目にする明朝体フォントと、毛筆・ペン習字における手書き楷書との間には、字形デザイン上の明確な差異が存在します。ここを混同すると、手書きした際に不自然な違和感を生む要因になります。
デジタルフォントの多くでは、第1画の長い横画と左右の縦画が機械的に直角で接合されています。しかし、手書き見本や美しい書道規範においては、第1画をやや弓なりに反らせるか、引き締まった右上がりに構え、左右の枠の下部をわずかに内側へ絞るのが通則です。
文化庁が公表している『常用漢字表の字体・字形に関する指針』でも示されている通り、印刷文字の細部に囚われすぎず、骨格の連続性と空間の疎密を意識することが手書き文字の正しさと美しさを両立させる鍵となります。