みたま祭りの起源は、戦後の混乱が色濃く残る昭和22年(1947年)にさかのぼります。国のために尊い命を捧げた戦没者の御霊(みたま)を慰め、平和への誓いを新たにするために創始されたのが始まりです。日本古来のお盆の習俗(魂祭り)と結びつき、現在では靖国神社のみならず、全国各地の護国神社(福岡護国神社、愛媛県護国神社など)でもそれぞれの地域戦没者を偲ぶ「みたま祭り」が夏の恒例行事として受け継がれています。
靖国神社のみたま祭りを象徴するのが、参道と境内に掲げられる大小あわせて約3万灯を超える黄金色の提灯です。夕闇が深まるにつれ、一斉に灯火が揺れる光景は息を呑むほどの荘厳さを誇ります。境内に掲げられる提灯は、全国の遺族や崇敬者から奉納されたものであり、一般の参拝者でも献灯の申し込みが可能です。
提灯の初穂料(値段)は、小輪灯(小型提灯)が1灯あたり3,000円〜4,000円前後、参道沿いにズラリと並ぶ大型の懸け提灯(大型提灯)が1灯あたり12,000円前後の設定となっています。毎年春先から初夏にかけて社務所および公式窓口にて受付が行われており、個人名だけでなく企業名や団体名での奉納も目立ちます。
また、本殿手前の神門周辺や内苑には、歌舞伎役者、俳優、声優、漫画家、スポーツ選手、政治家といった著名人・芸能人が揮毫した懸け提灯や雪洞(ぼんぼり)が多数奉納されています。各界の著名人が平和への祈りや独自の筆致で描いたイラスト・書を鑑賞できる点は、みたま祭りならではの文化的な見どころであり、昼間の明るい時間帯からじっくりと見て回るファンが絶えません。