私学の強力な特待生制度とは一線を画し、市立福山が最大の武器としているのが「時間の積み重ね」だ。併設する福山市立福山中学校から進学してくる選手たちは、12歳〜13歳の段階から同じ指導方針のもとで野球の基礎を学んでいる。
高校から入学してくる選手と中学からの内進生が融合するプロセスも実にスムーズだ。中学時代から徹底されてきた走塁の判断力やカバーリングの精度といった、目立たないが勝敗を分ける細部が、すでに高校チームの強固な骨格となっている。1年生の春からチームの戦術や目指すスタイルを熟知している選手が一定数存在することは、限られた時間でチームを仕上げるうえで圧倒的なアドバンテージだ。