物語の狂言回しであり元凶でもあるスタルキッドの正体は、もともと「迷いの森」で暮らしていた孤独な小鬼です。彼はかつてタルミナの守護神である「四人の巨人」と親しい友人関係にありました。しかし、巨神たちが世界を守るために去った後、見捨てられたと感じたスタルキッドは深い孤独に苛まれ、悪戯をエスカレートさせてタルミナの民から疎外されていきます。
その心の隙間に忍び込んだのが、太古の呪術儀式に使われていた凶悪な呪いのアーティファクト「ムジュラの仮面」でした。旅の途中でしあわせのお面屋を襲撃して仮面を強奪したスタルキッドは、仮面自身が持つ悪意と強大な魔力に意識を乗っ取られ、月を地上へ墜落させるという破滅的な行動へと暴走してしまいます。
一方、旅の商人としてリンクの前に現れるしあわせのお面屋は、作中でも指折りの不気味な存在感を放っています。突如として巨大なオルガンを出現させ、喜怒哀楽が急変する表情筋の動きはプレイヤーに強烈な違和感を植え付けました。ファンの間では「異世界タルミナの創造神ではないか」「仮面の魔力に精神を侵食されかけている狂言回しではないか」など、現在も熱心な考察が続いています。彼が口にする「しあわせになるお面」という言葉の裏にある執着心は、スタルキッドの孤独と同根の危うさを秘めています。