北斗神拳の修行場には、残酷すぎる現実が存在していた。長兄ラオウ、次兄トキという人知を超えた怪物がそびえ立ち、末弟のケンシロウは神から選ばれたかのような圧倒的なセンスを発揮する。その中で、唯一「凡人」の域を抜け出せなかったのが三兄ジャギだ。
養父リュウケンから伝承者に選ばれたのは最年少のケンシロウだった。努力だけでは決して届かない才能の壁。どれほど汗を流しても差が開くだけの不条理。「兄より優れた弟など存在しない」という呪いのような言葉は、彼が自分自身の無力さから目を背けるための悲痛な防衛本能だった。持たざる者が味わう絶望を知る者ほど、彼の哀れな姿に胸を締め付けられる。