インターネット文化の歴史において、これほど不可解で根強い人気を誇る存在は他に類を見ない。2026年現在もなお、若者の間で「可愛い」という賞賛が送られる背景には、キャラクターの徹底的な「無害化」と「抽象化」が存在する。劇中での独特な口調や大げさな身振り手振りは、長年にわたるコラージュ画像や音MADの素材として改変され続けた結果、元々の文脈から完全に切断された。
ネットユーザーが「可愛い」と呼ぶとき、そこに実在の人物に対する性的な視線や侮蔑は存在しない。むしろ、マスコットキャラクターやサンリオキャラを見る目線に近い。過剰に記号化された表情やポーズが、不気味の谷を越えて親しみやすさへ転じた瞬間と言える。メディア空間での無限の反復が、恐怖や違和感を「愛おしさ」へと変換させたのだ。