ネット上の掲示板やSNSでは「年収600万あれば人生安泰」という意見が見受けられますが、現場を取材すると必ずしもそうした楽観論ばかりではありません。構造的な盲点として意識すべきポイントが2点あります。
第1に、「社会保険料と累進課税による手取りの伸び悩み」です。年収が400万円から600万円へと200万円アップしても、手取り額としては約140万円程度しか増えません。額面が増えた高揚感から家賃や車のローン、外食のグレードを上げてしまうと、手取りの増加分は一瞬で相殺され、貯蓄残高が全く増えない「高所得貧乏」に陥ります。
第2に、「住宅価格の高騰と固定費の肥大化」です。特に首都圏のマンション価格は高騰を続けており、30歳・年収600万円単独では人気エリアの新築購入は現実的ではありません。無理に高額なペアローンを組んだ結果、将来の出産や転職による世帯収入減に耐えられなくなるリスクが存在します。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
年収600万円という立ち位置を真の資産形成につなげられる人と、浪費で終わらせてしまう人の境界線は明確です。
- 資産を確実に伸ばせる人:年収が上がっても生活水準を年収400万〜500万円当時のまま維持し、増えた手取り(月5万〜10万円)を新NISAや確定拠出年金などへ自動積立できる人。
- 家計破綻に注意すべき人:「上位数%の勝ち組」という見栄から固定費(タワマン家賃、高級輸入車、過剰な保険)を引き上げ、ボーナス払いを前提としたローンを組んでしまう人。