株式市場における誤注文、通称「ファットフィンガー(太い指)」。指が太くて隣のキーを同時に叩いてしまったかのような単純エラーを指すが、その破壊力は核爆弾にも匹敵する。一瞬の入力違いが市場の流動性を一気に飲み込み、数分間のうちに巨額の資金を消失させてしまうからだ。
世界中のマーケットで数々の誤注文が記録されてきたが、日本の証券史において群を抜く打撃を与えたのが、2005年に発生した歴史的大事故である。キーボードの叩き間違いという初歩的な人為的ミスが、国内の取引システム全体の脆弱性と絡み合い、収拾のつかない大混乱を引き起こした。