店舗の「出禁張り紙」は違法?顔写真掲示のリスクと正しい文面例をプロが解説

店舗の「出禁張り紙」は違法?顔写真掲示のリスクと正しい文面例をプロが解説

店舗の「出禁張り紙」は違法?顔写真掲示のリスクと正しい文面例をプロが解説について分かりやすく解説いたします。最新の情報をチェックしてください。

迷惑客への対応において、現場が最も困惑するのが「110番通報しても警察が『民事不介入』と言って動いてくれない」という事態です。警察を法的に正しく動かすためには、刑法上の構成要件を現場で意図的に満たす必要があります。ここで鍵となるのが、刑法130条の「建造物侵入罪」と「不退去罪」です。

スーパーやコンビニ、飲食店などの店舗は、営業時間中であれば基本的に「何人に対しても立ち入りを包括的に許諾している場所」とみなされます。そのため、過去にトラブルを起こした人物であっても、単に入店しただけでは直ちに建造物侵入罪が成立しにくいという法解釈が存在します。

このハードルを突破する手段こそが、事前に行う「明確な出入り禁止の意思表示」です。

  • 不退去罪(刑法130条後段):店内で迷惑行為を働いた客に対し、店長や責任者が「他のお客様の迷惑になりますので、今すぐご退店ください」と明確に要求したにもかかわらず、その場に留まり続けた時点で成立します。退去要請を行ってから一定時間(判例上は数分〜十数分の留まりで十分)退去しない場合、現行犯として警察に通報が可能です。
  • 建造物侵入罪(刑法130条前段):過去に退去を求め、明確に「以後の立ち入りを禁止する」旨を個別通告した記録がある場合、その人物が店舗の敷地(敷地内の駐車場を含む)に一歩足を踏み入れた瞬間に成立します。包括的入店許諾が撤回されているため、買い物を装って入店しても「管理権者の意思に反する立ち入り」となり、犯罪が成立します。

通報時の通話内容も極めて重要です。「困った客が来ている」と曖昧に通報するのではなく、「過去に正式に出禁通告を出している人物が敷地内に侵入したため、建造物侵入の現行犯として警察官の臨場を要請します」と刑罰法規に沿った文言で通告することが、警察の初動を早める実務上の決定打となります。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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