楽曲の切なさを何倍にも増幅させているのが、映像作家・井樫彩監督が手掛けた公式ミュージックビデオです。ここで注目すべきは、ブルーベリーナイツMV出演キャスト陣の圧倒的な表現力です。
主演を務めたのは、女優・モデルとして今や確固たる地位を築いた井桁弘恵(いげたひろえ)さん。そして相手役を越智貴広さんが演じています。MVの中で描かれる二人のやり取りは、どこかぎこちなく、親密さの中に決定的な距離感が横たわっています。洗面所の鏡越しに見つめ合う視線、ベッドの上での無言の空気、煙草の煙が揺れる部屋の薄暗さ。井桁弘恵さんが見せるふとした瞬間の憂いを含んだ眼差しは、観る者に「この二人は決して結ばれることはない」という残酷な結末を予感させます。
ブルーベリーナイツ結末の真相を映像から読み解くと、夜が明けるにつれて幻想の時間は終わり、日常へと引き戻されていく無常観が提示されています。言葉のないドラマパートが楽曲のメロディと完璧にシンクロすることで、リスナーは一編の映画を観終えたかのような濃密な余韻に包まれることになります。