幼い息子ジーク・イェーガーによる告発を受け、マーレ当局に拘束されたエルディア復権派の面々。ダイナ・フリッツもまたパラディ島へと送られ、人間としての尊厳を奪われる酷刑「楽園送り」に処された。注射によって「無垢の巨人」へと姿を変えさせられる直前、彼女が夫グリシャ・イェーガーに残した最後の言葉――「どんな姿になっても、あなたを探し出す」という誓いは、あまりにも惨い形で現実のものとなった。
無垢の巨人へと変貌した彼女は、壁内へと侵入。そしてシガンシナ区の惨劇の日、真っ先に向かったのは、皮肉にもグリシャが壁内で再婚した新たな妻、カルラ・イェーガーのもとだった。カルラを喰らう「笑顔の巨人」の姿は、エレンの心に激しい復讐心を植え付けただけでなく、後の「始祖の巨人」の力の発動という偶然を超えた運命の引き金となった。エルディア王家の血筋を引く彼女が無垢の巨人となった背景と、グリシャ・カルラ夫妻を巻き込んだ衝撃的な因縁は、本作における屈指の伏線であり凄惨な愛の呪縛として語り継がれている。