松田聖子と紅白歌合戦の軌跡|大トリの記憶と辞退の深層を解く

松田聖子と紅白歌合戦の軌跡|大トリの記憶と辞退の深層を解く

松田聖子と紅白歌合戦の軌跡|大トリの記憶と辞退の深層を解くにまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

時代とともに変遷した大衆のまなざしを検証するために、NHK紅白歌合戦におけるネットの反応やSNS、コミュニティ掲示板の論調を長期間にわたり追跡すると、極めて興味深いパラダイムシフトが浮かび上がります。

80年代初頭、彼女は女性層を中心とする一部から「ぶりっ子」と揶揄され、激しいバッシングの対象になることも少なくありませんでした。しかし、90年代以降、自ら作詞作曲を手がけ、スキャンダルを乗り越えて力強く歌い続ける姿が可視化されるにつれ、SNS上では「どんな批判にも屈しない真のフェミニスト」「究極のプロフェッショナル」という再評価が一気に進みました。

特に2020年の無観客紅白で披露された『瑠璃色の地球』に対するファンの生の声では、「コロナ禍で荒んでいた心が、聖子さんの凛とした歌声ひとつで救われた」「派手な演出を削ぎ落としたからこそ、声の説得力が胸を打つ」といった書き込みが相次ぎました。かつて偶像として消費されていたアイドルは、傷つき、立ち上がり、他者の痛みに寄り添うことのできる「不屈のシンボル」へと昇華したのです。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。