市場魚貝類図鑑をはじめとする海洋生物資料によると、日本沿岸には約200種類のナマコが生息していますが、日本の市場で商業的に流通し、食べられるなまこの種類として定着しているのは実質的に数種に絞られます。その筆頭が、全国各地で水揚げされるマナマコ(Apostichopus japonicus)です。
マナマコ以外で重要な商業種としては、北海道や三陸沖の冷水域に生息するキンコ食用ナマコ(フジナマコ科キンコ)が挙げられます。キンコは生のまま酢の物にするマナマコとは異なり、主に煮込み料理用として内臓を除去して茹で上げ、乾燥加工された上で高級中華食材として輸出されてきた歴史を持ちます。また、沖縄などの南西諸島では、ジャノメナマコやハネジナマコといった大型種が伝統的に塩蔵や乾燥加工の原料として利用されてきました。
一般家庭や居酒屋で「生ナマコ」として提供されるもののほぼ100%はマナマコであり、流通現場では生息環境や体色に応じて「赤」「青」「黒」という3つの呼び名で選別・取引されています。