フットボールと音楽の関係性は、近年のデジタルシフトによって劇的な進化を遂げた。かつてテレビの地上波中継から受動的に受け取っていたサウンドトラックは、いまやユーザー自らが能動的に楽しみ、拡散するものへと変貌している。
音楽配信業界の巨人であるSpotifyでは、公式プレイリストや選手本人が作成した試合前ウォーミングアップリストが数百万回再生を記録。試合前のロッカールームの空気をファンがそのまま共有する文化が定着した。音楽を聴くことが、観戦に向けた個人の儀式へと昇華されている。
さらに、ABEMAやDAZNといった動画配信プラットフォームによる試合中継の多様化も大きい。ハイライト映像やオリジナルドキュメンタリーに、最先端のインディーズロックやヒップホップ、エレクトロニックミュージックが積極的に採用されている。現代のスポーツ音楽は、映像演出と不可分に結びつき、ソーシャルメディア上で切り抜き動画とともに急速にミーム化していく。