現在、送配電の現場で主流となっているのが、物理的に鳥を電線へ着地させない「鳥害防止器」だ。これは電線の上に被せる樹脂製の突起付きカバーや、針金状の細いワイヤーを一本浮かせた状態で張る治具を指す。
日本野鳥の会の生態調査でも知られる通り、カラスやドバトは指の力で細い枝を掴み、体を安定させる足指構造を持つ。鳥害防止器によって電線の上に一本の細いラインが張られると、鳥は足場を掴むことができず、バランスを崩して止まるのを諦める。鋭利なトゲで傷つけるのではなく、止まり木としての機能を無力化するアプローチだ。
カラスは学習能力が高く、隙間があればわずかなスペースを見つけて再び止まろうとする。そのため、近年では電線の周囲をらせん状に覆うスパイラルガードや、より広範囲をカバーする樹脂チューブなど、鳥のサイズや飛来パターンに応じた多種多様な資材が現場で使い分けられている。