車の価値がハードウェアからソフトウェアへと移行する中、センターの景色も一変した。かつて油の匂いが漂っていた実験棟の隣には、PCに向かってコードを書き続けるITエンジニア専用のフロアが急拡大している。
「SDV(Software Defined Vehicle)」と呼ばれるこの領域では、OTA(Over-The-Air)による車両機能のアップデートが前提となる。つまり、販売後も車が進化し続ける仕組みだ。日産はここで、独自の車両OS開発を急ピッチで進めている。伝統的な自動車工学と、アジャイルなソフトウェア開発という、水と油のような二つの文化を融合させる試みが、この山奥の拠点で毎日のように繰り返されている。