山岳地帯とは対照的に、鹿児島市などの都市部で多発しているのが高齢者の行方不明事案です。超高齢社会の進展に伴い、認知症による見当識障害から自宅や介護施設を一人で離れ、そのまま所在が分からなくなる事案が後を絶ちません。
都市部での失踪における最大の特徴は、路線バスや市電、JRなどの公共交通機関を利用して、想定外の遠方まで短時間で移動してしまう点にあります。「近所を散歩しているはず」という初動の思い込みが捜索範囲の絞り込みを遅らせる要因にもなっています。
鹿児島市をはじめとする各自治体では、「高齢者等見守りSOSネットワーク」や地域見守りメール、防災無線を活用した早期発見システムを構築しています。コンビニエンスストアやタクシー事業者との連携が進む一方、プライバシー保護と迅速な情報公開のバランス、さらには夜間の捜索体制など、依然として解決すべき課題が残されています。