「生きている珈琲」を語る上で欠かせない最大の独自性が、特許を取得している独自の焙煎システム「低温熱風焙煎」です。一般的な直火焙煎や炭火焙煎では、豆の表面が高熱に直接触れるため、どうしても表面が焦げやすく、煙による燻り臭(スモーキーフレーバー)や酸化物質が付着しがちです。これが「苦味の奥にあるえぐみ」や「食後の胃もたれ」を引き起こす一因とされています。
一方、同店が採用する低温熱風焙煎は、遠赤外線と除湿されたクリーンな熱風を用い、豆を浮遊させながら比較的低温でじっくりと芯まで熱を伝導させます。煙の発生を極限まで抑え、豆の外側と中心部の焼きムラを完全に解消。豆の細胞壁を破壊しすぎないため、良質な油分と芳醇なアロマ成分が内部に閉じ込められたまま仕上がります。
さらに、この豆の真価を引き出すのが、熟練の手仕事による「ネルドリップ珈琲」です。ペーパーフィルターのように微細なオイル分を吸着しすぎず、金属フィルターのように微粉を通しすぎないネルドリップは、舌触りをベルベットのように滑らかに整えます。口に含んだ瞬間に広がるのは、角のとれた丸みのあるコクと、喉を通った後に立ち上る澄み切った余韻。冷めても嫌な酸味が出ず、むしろ温度低下とともに果実のような自然な甘みが際立ってくる点は、低温熱風焙煎ならではの明白なアドバンテージです。