事件の発端は2014年から2015年にかけて実施された社内調査でした。佐川印刷の財務部門を長年牛耳っていた元財務担当常務による不正が次々と明るみに出たことで、経済界に大きな衝撃を与えました。最終的な佐川印刷の横領金額は、立件された刑事事件の枠を超え、社内調査や民事訴訟ベースで約80億円という天文学的な規模に達しています。
佐川印刷はカタログやチラシ印刷などで強固な事業基盤を持つ業界屈指の優良企業として知られていました。しかし、その内実では経理・財務の全権を一人の人物に長期間委ねていたため、不正をチェックするガバナンスが完全に麻痺していたのです。この佐川印刷事件の概要まとめを紐解くと、ワンマン体制の盲点と組織的なチェック機能の欠如が重なった典型的な構造的汚職の実態が見えてきます。