80年代後半から90年代の日本のテレビ界を席巻したトレンディドラマ。その中心にいた浅野温子は、芯の強い女性像と独特のロングヘア、華やかな演技で時代を象徴するアイコンだった。一方、1984年に誕生した長男の魚住優氏は、母と同じ演技の道ではなく、語り手としての「アナウンサー」という職業を選んだ。
和光大学卒業後、一度は一般企業への就職を経験したものの、言葉で情報を伝える仕事への情熱を捨てきれず、2008年に日本放送協会に入局。初任地の岡山放送局からスタートし、盛岡、東京アナウンス室、福岡へと着実に経験を重ねた。スポットライトを浴びる女優の母とは対照的に、ニュースの現場で静かに言葉を紡ぐ姿は、自身の力で道を開こうとする強い意志のあらわれだった。