家庭でししとう料理を敬遠する最大の要因が「油跳ねや破裂への恐怖心」です。調理器具メーカーや日本調理科学会の実験データでも示されている通り、ししとうの内部は中空構造になっており、加熱されると内部の空洞にある水分が一気に気化して水蒸気となります。密閉された皮の強度が限界に達した瞬間、皮を突き破って気体が噴出するため、周囲の高温油を巻き込んで激しい破裂を引き起こすのが物理的なメカニズムです。
このトラブルを防ぐ下処理の基本は極めてシンプルです。ヘタの先端を少し切り落とした後、以下のいずれかの処置を施すだけで破裂の危険は完全にゼロになります。
最も手軽なのは、爪楊枝や竹串で胴体の中央に「プスッ」と1箇所小さな穴を開ける手法です。包丁を使う場合は、刃先で縦に5ミリ程度の小さな切れ込みを入れます。これにより気化した水蒸気の逃げ道が確保され、強火で炒めても高温で素揚げしても、一切の爆発を起こさずに安全に火を通すことが可能です。
また、洗った後の水分をキッチンペーパーで完全に拭き取ることも欠かせません。表面に残った水滴がフライパンの油と接触することによる一般的な油跳ねも、この一手間で劇的に抑制できます。