一水会の街宣車は何を叫ぶ?黒塗り右翼との決定的な違いと真相

一水会の街宣車は何を叫ぶ?黒塗り右翼との決定的な違いと真相

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街宣右翼と一水会を語る上で、政治運動史における最大のハイライトといえるのが2015年(平成27年)4月から5月にかけて発生した「一水会本部包囲事件」です。東京・高田馬場にあった一水会事務局の周辺に、突如として数十台規模の他団体街宣車が集結。「一水会・木村三浩糾弾」と大音量で叫び立てる前代未聞の騒乱が発生しました。

なぜ同じ「右翼」に分類されるはずの団体が、一水会を激しく糾弾したのでしょうか。その背景には、一水会が推し進めた独自の対外活動に対する、親米反共右翼からの激しい反発がありました。木村三浩代表は当時、混迷を極めるウクライナ情勢下においてロシアおよびクリミア半島を自ら訪問。欧米主導の一極覇権に異を唱え、現地の指導者層と直接対話を行いました。これが親米派右翼の目には「西側諸国の足並みを乱す利敵行為」「左翼的逸脱」と映ったのです。

元公安調査官の菅沼光弘氏が日本外国特派員協会での会見などで指摘してきた通り、戦後の街宣右翼界隈には様々な利害関係や非公然勢力が介在し、体制維持や経済活動と結びついてきた側面があります。そうした構造の中で、真の独立自尊を標榜し親米保守の枠組みを根底から揺さぶる一水会の言動は、旧来の行動右翼にとって看過できない「異端」だったと言えます。自らの事務所前に現れた街宣車に対し、木村代表は一歩も引かずに見解を発表。この衝突劇は、戦後右翼が抱える「親米追従か、民族自立か」という根源的な亀裂を白日の下に晒す出来事となりました。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。