巴衛の過去を語る上で欠かせないのが、かつて義兄弟として共に暴れ回った大妖怪・悪羅王(あくらおう)の存在です。不老不死の強靭な肉体を持ち、破壊と殺戮を好んだ悪羅王に対し、巴衛は奈々生(過去で出会った雪路)を愛したことで「命の脆さ」と「愛の尊さ」に目覚め、悪羅王と袂を分かつことになります。
妖怪にとって人間を愛することは、寿命の差という永遠の絶望を背負う行為に他なりません。人間となった悪羅王(霧仁)との再会や激突を通じて、巴衛は己の犯した罪と過去に決着をつけます。悪羅王自身も最期に人の愛を知って消滅し、巴衛の魂もまた、長きにわたる呪縛から完全に解き放たれました。