レッドグリーンテストをめぐっては、医学的知識の不足からくる誤解もネット上で散見されます。特に多い2つの盲点について事実を検証します。
誤解1:色覚異常(色覚特性)があると検査を受けられない?
「自分は赤と緑の識別が苦手な色覚特性があるため、この検査は正しく受けられないのではないか」という不安の声がしばしば寄せられます。しかし、これは完全な誤解です。
レッドグリーンテストが判定対象としているのは、背景の色そのものではなく、「背景に乗っている黒い輪郭や二重丸がどちら側でより黒くクッキリ見えるか」というコントラストの差です。赤や緑の色味が正確に知覚できなくても、光の波長によるピントの結像位置は物理的に網膜上で変化するため、明暗のコントラストさえ識別できれば検査結果に影響はありません。
誤解2:白内障や角膜疾患で見え方が逆転するケース
もう一つの見落とされがちな盲点が、中間透光体の濁りによる屈折変化です。加齢性白内障が進行すると、水晶体の核が硬化して屈折力が増大する「水晶体近視」を引き起こすことがあります。昨日まで「赤が見えやすかった」人が、急速に「緑が見えにくく赤ばかりが突出して見える」ように変化した場合は、近視の度数が急激に進んでいるか、初期の白内障によって光の透過性が変化しているシグナルである可能性があります。
また、重度のドライアイによって角膜表面の涙の膜が不均一になっている場合、光が乱反射して赤も緑も二重に見える現象が起こります。コンディションが悪い状態で強引に検査を進めると、不適切なコンタクトレンズ度数が決定されてしまうため注意が必要です。
【プロの結論】おすすめできる度数設定・慎重になるべき人の判断基準
検査結果を踏まえ、どのような度数選択を行うべきかは、ユーザーのライフスタイルによって大きく分かれます。
【「わずかに赤が見えやすい(低矯正気味)」度数がおすすめできる人】
- 1日の大半をPC作業やスマホの閲覧、読書に費やすデスクワーカー・プログラマー
- 40代以降で初期の老眼(調節力の低下)を自覚し始めている人
- 慢性的な眼精疲労、肩こり、緊張型頭痛に悩まされている人
近視と遠視の見え方を考慮した際、手元を見る時間が長い現代人は「赤がやや強い」段階で度数を抑えることが、眼筋の疲労を防ぐ最大の防御策となります。
【「赤と緑が完全に均等」な度数が必要・緑が強い状態に慎重になるべき人】
- 夜間の高速道路を頻繁に運転するドライバーや、屋外でのスポーツ競技者
- 劇場の舞台鑑賞や広大な講堂で黒板・スクリーンをクリアに見る必要がある人
遠方の視界を1.2〜1.5までシャープに確保したい場合でも、「赤と緑が同等」のポイントを絶対に超えてはなりません。「緑が強い」状態を放置すると、遠くは鮮明でも脳と毛様体筋に過大なストレスがかかり続け、視力低下のスパイラルを招く危険性があります。