犯罪を犯す可能性の高い人間を事前に特定するというテーマは、古くからエンターテインメントやSF作品の絶好の題材となってきた。
映画『マイノリティ・リポート』では、予知能力者を用いて犯罪発生前に容疑者を逮捕するディストピア社会が描かれた。また、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』では、個人の精神状態や犯罪傾向を数値化し、「潜在犯」として社会から隔離・排除するシステムが登場する。これらの作品は、単なるフィクションにとどまらない。
今日、Netflixをはじめとする配信サービスで世界的な人気を集めるサスペンス・スリラー作品の多くも、人間の中に潜む暗部や犯罪者予備軍の心理を描き出している。テクノロジーの進化によってフィクションの世界が現実に近づく中、私たちは「リスクの事前察知」と「不当な偏見・人権侵害」の狭間で、極めて難しい倫理的判断を迫られている。