ネット上の掲示板やレビューで最も頻出する疑問が、「中華フードコートは現金お断りなのか?」という点だ。結論から言えば、「日本円の現金は使用可能だが、個別の料理ブースで直接小銭や紙幣を渡して決済することはできない場合が多い」というのが正確な実態である。
パイオニアである「友誼食府」の決済メカニズムを例に挙げよう。フロア内には複数の小規模屋台が独立して出店しているが、各屋台には独立した金銭登録機(レジスター)が存在しない。衛生管理と会計の集中化を図るため、伝統的に「フロア専用プリペイドカード」が採用されてきた。利用者はまずフロア中央のサービスカウンターへ行き、千円札などの現金を渡してチャージ式カードを受け取る。その後、希望の屋台で注文時にカードを提示し端末で精算する仕組みだ。退店時には同カウンターへカードを返却すれば、未使用の残額がそのまま現金で払い戻される。
現在ではスマートフォンの普及に伴い、各ブースの卓上にPayPayやAlipay、WeChat PayのQRコードが設置されるケースが増え、スマホ決済であれば直接完了できるよう進化を遂げた。しかし、現金しか所持していない初見の利用者が「屋台の前で財布から小銭を出して断られ、言葉の壁もあって戸惑う」というトラブルは後を絶たない。事前に「中央カウンターでカードを入手する」というワンクッションを知っておくだけで、混乱は完全に防ぐことができる。
一方、ハイテク化を進めた「沸騰小吃城」は、日本のファミレスや居酒屋に近い運用形態を採る。席に案内された後、テーブル上のQRコードを個人のスマートフォンカメラでスキャンすると、日本語対応のウェブメニューが立ち上がる。カートに料理を入れて送信すれば注文が通り、調理完了とともに配膳されるか番号で呼ばれる。退店時は伝票用バーコードを持って集中レジに行くだけで、現金、各種クレジットカード、交通系ICカードによる一括支払いが可能だ。デジタル耐性がある人にとっては、極めて心理的ハードルが低い設計となっている。