同調圧力が根強く残る日本のコミュニティにおいて、建築家タイプの生きづらさは半端ではない。彼らは意味のない雑談や、慣習だからという理由だけで続く無駄な会議を徹底的に嫌う。周囲からは「冷たい」「協調性がない」と評されることも少なくないが、本人たちに悪気はないのだ。ただ単に、物事を最適化したいという本能に従っているに過ぎない。
あるIT企業に勤める30代の男性は、「飲み会での『とりあえずビール』的な空気を分析し、断り続けていたら、いつの間にか窓際に追いやられていた」と苦笑する。しかし、彼の書くコードとシステム設計の美しさは社内随一だった。集団の和を重んじる文化と、個の論理性を極限まで突き詰める建築家の思考回路。この二者の衝突は、今も日本のオフィス環境で日常茶飯事のように起きている。