男性アイドルグループの歴史において、社会的なインフラとまで称されたのがSMAPと嵐の2組です。両グループの全盛期を比較すると、アプローチの違いと共通する強烈な求心力が見えてきます。
SMAPは、アイドル氷河期と呼ばれた1990年代初頭に『夢がMORIMORI』や『SMAP×SMAP』を通じて本格的なコントや料理に挑戦し、従来の「手の届かない王子様」から「親しみやすく多才なエンターテイナー」へとアイドルの定義そのものを塗り替えました。2003年の『世界に一つだけの花』がダブルミリオン(後にトリプルミリオン)を達成した背景には、ナンバーワンよりオンリーワンを尊ぶ当時の社会不安に寄り添うメッセージ性があり、まさに国民のアンセムとなった歴史があります。
一方、2000年代後半から2010年代にかけて平成後期のエンタメ界を牽引した嵐は、メンバー間の圧倒的な仲の良さと親しみやすさで支持を拡大しました。5大ドームツアーの定例化や国立競技場での連日公演など、ライブ動員力においては前人未到の記録を樹立。シングルを出せばチャート首位を独占し、2019年のベストアルバム『5×20 All the BEST!! 1999-2019』は世界で最も売れたアルバム(IFPIグローバル・アルバム・チャート1位)に認定されるなど、数字の面でも規格外の実績を残しました。
両者に共通していたのは、個々のメンバーがドラマの主演やニュースキャスター、バラエティの司会として週7日どこかのテレビ番組に出演し続け、日常の風景として日本社会に溶け込んでいた点です。