「付属校に入学すれば受験勉強から解放され、悠々自適の3年間を過ごせる」というイメージは、現場のリアルを知る者からすれば幻想に過ぎません。確かに他大学を受験するための共通テスト対策や一般個別試験のプレッシャーからは解放されますが、学内では別の熾烈なレースが繰り広げられています。それが、卒業時の「学部配分競争」です。
関係者や卒業生の手記、在校生の生の声を聞くと、その実態は定期試験の点数が直結する「3年間の長期サバイバル」であることが分かります。
都内大手金融機関に勤務する高等学院卒業生(20代)は、当時の様子を次のように振り返ります。
「『学院は天国』と言われるのは入学式まででした。看板学部である政治経済学部や法学部、理工学部の人気学科を勝ち取るためには、高1の最初の定期テストから高3の学年末まで、常に学年上位20%以内をキープし続ける必要があります。テスト前になると、進学校の受験生以上にピリピリした空気が教室に漂っていました。留年の基準も厳格で、単位を落とせば情け容赦なく留年が決まります」
ネット上の口コミサイトやSNSでは、「自由放任で自己責任の文化」と「成績上位層と下位層の二極化」が頻繁に語られます。自ら課題を見つけて研究活動や部活動に打ち込める生徒にとっては最高の環境である一方、周囲に流されて学習を怠ると、希望する学部への推薦権を失うばかりか、進級すら危うくなるリスクが潜んでいます。