民法債権法改正で何が変わった?契約実務で知らないと損する変更点を徹底解説

民法債権法改正で何が変わった?契約実務で知らないと損する変更点を徹底解説

民法債権法改正で何が変わった?契約実務で知らないと損する変更点を徹底解説について分かりやすく解説いたします。詳細な分析をご確認ください。

これまで判例の解釈に委ねられていた領域も、明文化によって実務ルールが厳格化されました。

敷金返還と原状回復の明文化

賃貸住宅の退去時に最もトラブルとなりやすかった敷金返還と原状回復の義務範囲が法律上明確になりました。賃借人の責めに帰することができない事由による損傷や、通常の使用によって生じる損耗(経年劣化・通常損耗)については、賃借人に原状回復義務がないことが条文上に明記されています。

定型約款の合意ルールと不当条項の無効化

不特定多数のユーザーを対象とするWebサービスの利用規約や金融取引に適用される定型約款の民法改正ルールも整備されました。顧客の利益を一方的に害する不当条項(みなし合意の排除)は無効となるほか、サービス内容を変更する際の「一方的変更要件(変更の必要性・相当性・事前周知)」をクリアしなければ規約改定が無効となるリスクがあります。

個人根保証人の保護規定と債権譲渡の円滑化

事業資金などの融資を受ける際、経営者以外の親族などが安易に保証人となって破滅する事態を防ぐため、個人根保証人の保護規定が強化されました。極度額(保証上限額)の定めのない個人根保証契約は一律無効となります。

一方で、資金調達の円滑化を図るため、債権譲渡における譲渡制限特約の効力が見直されました。当事者間で譲渡禁止の特約を結んでいても、譲渡自体は有効に成立する(ただし譲受人が悪意・重過失の場合は債務者は弁済を拒絶可能)構造に改められ、ファクタリング等を通じた流動化が進みやすい環境が整えられています。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。