愛希れいかは2018年11月18日、『エリザベート -愛と死の輪舞-』東京宝塚劇場公演の千秋楽をもって宝塚歌劇団を退団しました。ネット上やファンの間では「長期在任による疲弊」や「相手役との不協和音」といった根拠のない憶測が飛び交うこともありましたが、取材証言と事実関係を紐解くと、まったく異なる真実が浮かび上がります。
退団会見において愛希は、「娘役としてすべての情熱を注ぎ込み、これ以上ない集大成として迎えたのが『エリザベート』だった」と語っています。宝塚の娘役にとって、オーストリア皇后エリザベートは歌唱力・表現力・精神力のすべてを極限まで試される最高峰の役柄です。彼女はこの大役を退団公演として演じきることで、自らのタカラヅカ人生に完璧な終止符を打つ決断を下しました。
また、通常はトップスターの退団に伴って行われる「サヨナラショー」が愛希れいか単独で開催された経緯は、劇団が彼女の残した功績を最大級に評価した結果です。大劇場を一人で背負って立ち、歴代の名ナンバーを歌い踊る姿は、娘役というカテゴリーを超越した「一個の偉大な舞台人」に対する劇団からの最高の敬意でした。不仲やトラブルによる退団ではなく、完全なる円満退団であり、惜しまれつつ次のステージへ羽ばたくための必然の旅立ちだったのです。