楽器店に並ぶ無数のブランドの中で、ギタリストの選択を二分し続けているのがアーニーボール(ERNIE BALL)とダダリオ(D'Addario)の二大巨頭です。そして近年、圧倒的なリピート率でその勢力図を塗り替えたのがエリクサー(Elixir)に代表されるコーティング弦です。
実態検証として、それぞれのブランドの特徴、プレイスタイルとの相性を整理しました。
アーニーボール「レギュラースリンキー(#2221)」および「スーパースリンキー(#2223)」は、ジミー・ペイジやスラッシュをはじめとする幾多のレジェンドに愛されてきたロックの象徴です。その特徴は何と言っても、開封した瞬間の弾けるような明るい倍音と、指にしなやかに吸い付くような独特のテンションの柔らかさにあります。手汗による劣化や酸化は比較的早いものの、「張り替えたてのあのギラッとした抜けの良いトーンはアーニーボールでしか出せない」と、リハーサルやライブごとに頻繁に弦を張り替えるプレイヤーから熱烈な信頼を集めています。
一方のダダリオ「EXL110」や「EXL120」は、全帯域におけるバランスの正確さとチューニングの安定性において業界標準として君臨しています。巻線の巻き密度や芯線の品質管理が極めて均一で、ピッチの狂いが少なく、アーニーボールよりもやや引き締まったタイトなローエンドを鳴らします。「個体差によるハズレ弦を引きたくない」「レコーディングで正確無比な音程を保ちたい」という現場志向のギタリストから絶大な信頼を勝ち取っています。
そして、これらノンコーティング弦の弱点である「酸化による音の劣化」をテクノロジーで克服したのがエリクサー(Elixir)です。弦の表面に極薄の高分子ポリマーフッ素樹脂をコーティングすることで、汗や皮脂、空気中の湿気を完全にシャットアウトします。特にエレキギター向けに開発された「OPTIWEB(オプティウェブ)」は、かつてのコーティング弦に見られた「高域がこもる」「弾き心地がヌルヌルする」という違和感を払拭し、自然な打弦感とノンコーティング弦に近い高音のヌケを実現しています。初期投資の価格は高めですが、その圧倒的な寿命が評価され、多忙な社会人や学生ギタリストのスタンダードへと成長を遂げました。