敦賀ヨーロッパ軒の暖簾をくぐると、店内のあちこちから「パリ丼、ご飯少なめで」「カツ丼セットとスカロップ単品」という注文が飛び交います。全国的には「福井といえばソースカツ丼」というパブリックイメージが定着していますが、敦賀ヨーロッパ軒評判を支える真の立役者は、実はカツ丼と人気を二分する名物パリ丼と、知る人ぞ知る洋食皿スカロップです。
パリ丼とは、豚ロースカツの代わりに極厚の手仕込みミンチカツ(メンチカツ)を特製ウスターソースに浸し、丼飯の上に豪快に盛り付けた逸品です。なぜ「パリ」なのかという語源については、創業者らが「ミンチカツを噛んだときのパリッとした軽快な食感」から名付けたという説や、フランス・パリのハイカラな洋食文化への憧憬が込められているという説など諸説あります。箸を入れると溢れ出す肉汁と、衣に染みた酸味あるソース、そして湯気を上げる白米の三重奏は、カツ丼以上のジャンクな中毒性を誇ります。
そして、食通が敦賀ヨーロッパ軒本店や各支店で密かに指名するのがスカロップ(税込1,300円前後・ライス別)です。スカロップとは、薄く叩いて伸ばしたポークカツレツの上に、店秘伝の特製デミグラスソースを惜しみなくかけた洋食プレートです。ウスターソースに潜らせるカツ丼とは異なり、長時間煮込まれたデミグラスソースの深い苦味と芳醇なコクが衣に絡み、付け合わせの千切りキャベツやスパゲッティと絡めながら食べ進める至福を味わえます。
常連客の間では、「敦賀ヨーロッパ軒を訪れてカツ丼しか食べないのは半分損をしている」とまで囁かれます。複数人で訪れた際には、ソースカツ丼、名物パリ丼、そしてスカロップをシェアして食べ比べるのが、敦賀ご当地グルメの真髄を味わい尽くす鉄則です。