1970年代後半、伝説のレーベル「アルファレコード」のスタジオには、先進的な情熱と類まれな才能が集結していた。盟友である坂本龍一とのセッションは、まさに互いの知性と感性が鋭くぶつかり合う奇跡的な化学反応の連続だった。クラシックの高度な理論を背景に持つ坂本に対し、感覚的かつ民族音楽的なアプローチを打ち出す細野の対比が、YMOの多層的な魅力を形作った。
当時のスタジオでは、シンセサイザーのプログラミングやマルチトラックレコーディングにおける試行錯誤が極限まで繰り返された。革新的なテクノポップの誕生は、単なるデジタル化の波に乗ったものではなく、エンジニアリングの極致と人間味あふれるプレイの融合によって達成されたものだった。