朝井リョウの原作小説とドラマ版の間には、物語のクライマックスおよびメッセージ性においていくつかの重要な相違点が存在します。
ドラマ版の終盤では、センターの日高愛子にスキャンダル報道が直撃します。武道館公演を直前に控えたタイミングで発覚した恋愛報道に対し、事務所は謝罪会見を開き、愛子は頭を丸めて謝罪するという衝撃的な展開が描かれます。そして迎えた武道館のステージで、傷つきながらも歌い続けるメンバーと、それを受け入れるファンたちの姿が映し出され、物語は一定のカタルシスを伴って幕を閉じます。
対して原作小説では、よりシニカルで批評的な結末が用意されています。小説版では「消費されるアイドル」という構造そのものにスポットが当てられ、大衆の身勝手な欲望やインターネット社会の無機質な残酷さが冷徹な筆致で描かれました。ドラマ版が「少女たちの青春の熱量と再生」に軸足を置いたエンターテインメントとして昇華されたのに対し、原作は読者の胸に重い問いを突きつけるビターな仕上がりとなっています。