街中の自販機で飲料を買う際、小銭入れから取り出す硬貨の枚数が明らかに増えた。国内の清涼飲料水市場は、資材費、電気代、輸送人件費の複合的な高騰により、前例のない構造転換を迫られている。業界団体の一般社団法人全国清涼飲料連合会が公表するデータを見ても、サプライチェーン全体で吸収しきれなくなったコスト負担が最終製品価格へ波及している実態は明白だ。
かつては企業努力によるコスト削減が美徳とされてきた。しかし、パレット輸送の効率化や工場の自動化を極限まで進めても、急激な原油相場と円相場の変動がもたらす打撃はあまりに大きい。結果として各社は、一斉にオープン価格や希望小売価格の引き上げに踏み切らざるを得なくなった。今やコンビニの店頭において、ワンコインで気軽に買える時代は過去のものとなりつつある。