ネット上のコミュニティやSNSで頻繁に交わされるのが、「ささみの筋 そのまま食べられるか」という疑問です。結論から述べると、衛生上および健康上の害は一切ありませんが、料理の仕上がりを左右する食感の観点から除去が推奨されるというのが食品科学的な見解です。
筋の正体と加熱調理による変化
ささみの筋は、主に不溶性タンパク質である「エラスチン」と「硬質コラーゲン」で構成されています。一般的な肉のコラーゲンは長時間の加熱によってゼラチン化し柔らかくなりますが、腱組織のエラスチンは100℃前後の通常調理温度ではほとんど熱変性せず、硬い弾力を保ち続けます。
そのため、筋を残したまま加熱すると以下の不具合が生じます。
- 収縮による身の変形:加熱時に筋だけが急激に縮み、ささみ全体が丸まって火の通りが不均一になる。
- 著しい口当たりの悪化:噛み切れずに口の中に筋っぽさが残り、柔らかなささみの肉質を損なう。
【例外】筋取りを省略しても問題ないケース
一方で、調理法によっては筋取りの手間を完全に省くことが可能です。
- フードプロセッサーでミンチにする場合:つくねや鶏団子にする際は、刃で腱が細かく粉砕されるため下処理不要です。
- 加熱後に細かく手で割く場合:バンバンジーやチキンサラダ用に酒蒸し・茹で調理を行う場合、加熱後に肉をほぐす段階で筋だけを簡単に引き抜くことができます。
- 圧力鍋で長時間煮込む場合:高圧・高温環境下であれば組織の一部が軟化するため、そのまま調理しても気になりにくくなります。