インターネットの掲示板やSNSでは、「正面は可愛いのに横顔が残念」「横顔ブサイク 正面美人」といった極端な言説が散見されます。しかし、こうした評価の多くは、静止画を特定の角度から切り取っただけの平面的な錯覚に過ぎません。
日常のコミュニケーションにおいて、人間が他者を完全な真横(90度)から凝視する時間は全体のわずか数パーセントに過ぎません。対面時の視線は斜め45度〜正面に集中します。そして、この斜め45度において最も美しく見える要素こそが、頬のトップの高さ(メーラーファットの位置)と、ふっくらとした唇の立体感です。
大手美容クリニックのカウンセリング現場を取材すると、深刻な顔立ちの悩みとして持ち込まれるケースの中に、「過剰なEライン信奉による失敗」が頻発している実態が浮かび上がります。
「Eラインを作りたい一心で安易に小臼歯を4本抜歯して歯列矯正を行った結果、口元が奥へ引っ込みすぎてほうれい線が深くなり、口元がおばあさんのように萎んでしまった」という相談です。口元引っこんでない状態は、見方を変えれば皮膚と筋肉のハリを内側から支える天然のボリュームでもあります。骨格の個性を無視して平坦化を急ぐことこそが、最も避けるべき落とし穴と言えます。