たまアリの動員力について語られる際、しばしば「音楽ライブのチケットが37,000枚完売したのか」という誤解が散見されます。ここには、イベントのステージ設計による明確な数字のカラクリが存在します。
たまアリの歴代最多動員記録を打ち立ててきたのは、主に「格闘技イベント」です。2000年代前半の『PRIDE男祭り』や、近年の大晦日『RIZIN』では、アリーナフロアの中央に四角いリングを据える「センターステージ構成」が取られます。この場合、ステージ設営のための死角(見切れ席)がほぼ発生せず、東西南北すべてのスタンド席とフロア席を360度フル解放できるため、35,000〜37,000人以上という公式動員数が叩き出されます。
対して、一般的な音楽アーティストのスタジアム公演では、巨大なバックドロップや大型スクリーン、舞台装置を設置するため、客席の約4分の1から3分の1が「ステージ裏の見切れエリア」として潰れます。そのため、スタジアムモードを満員にしたとしても、実際の音楽ライブにおける動員上限はおおむね30,000人から33,000人前後となるのが通例です。「3.7万人の箱」という公称スペックと、実際のチケット販売枚数に数千人のギャップが生じるのは、このステージ裏のデッドスペースが理由です。