両院を分ける最も劇的な要素は、任期と「解散」の存在だ。
衆議院議員の任期は4年。しかし、任期満了を待たずに内閣総理大臣の判断で解散が行われることが大半であるため、実際の平均在職期間は3年程度にとどまる。いつ解散風が吹くかわからない緊張感の中で政治家たちは選挙区と向き合っており、国民の「いま」の民意をダイレクトに反映する場所として設計されているのだ。政権交代の舞台となるのも、まさにこの衆議院である。
対する参議院には解散が存在しない。任期は6年と長く、3年ごとに議員の半数が改選される仕組みだ。任期途中で身分を失うリスクがないため、目先の選挙運動に追われることなく、中長期的な政策論議や専門的な検証に集中できる。「再考の府」あるいは「良識の府」と呼ばれるゆえんはここにある。