細川護煕氏を語る上で欠かせないのが、日本史の教科書そのものともいえる圧倒的な名門の家系図です。父方は旧熊本藩主である肥後細川家の第18代当主。祖先には戦国乱世を生き抜いた知将・細川藤孝(幽斎)や細川忠興、そしてキリシタン大名夫人として名高い細川ガラシャが名を連ねます。
さらに母方の血筋を辿ると、昭和初期に3度首相を務めた近衛文麿の孫にあたります。公家の頂点である五摂家筆頭・近衛家と、武家の名門・細川家の血を引くサラブレッドであり、まさに公家文化のエレガンスと武家文化の剛毅さを併せ持つ血脈です。
細川家に代々受け継がれてきた国宝・重要文化財を含む膨大な美術工芸品は、現在「永青文庫(東京都文京区)」に保存・一般公開されています。細川氏が幼少期から本物の名品や伝統美に日常的に触れて育った環境こそが、後年の芸術家としての鋭敏な美意識の礎となっています。