宇多田ヒカルの真骨頂である、言語の壁を感じさせないリリシズムも本作の際立った魅力です。歌詞中に自然と織り交ぜられる英語フレーズは、日本語の持つ叙情性と滑らかに接続され、独特のグルーヴを生み出しています。
メロディに対して言葉が乗る際、日本語の音節や母音の響きが綿密に計算されており、耳で聴いた瞬間の心地よさと、テキストとして読んだときの深みが両立しています。ふりがなを振って追いかけたくなるような変幻自在の譜割りは、言葉の意味を直接頭に届けるだけでなく、感情の揺らぎそのものを体感させる装置として機能しています。