検索エンジンに校名を入力すると、サジェスト欄に現れる「やばい」という不穏な言葉。取材を進めると、この言葉が指し示す実態は「教育内容の崩壊」といった致命的なスキャンダルではなく、利用者の期待値と現実のギャップ、そして通信制高校という制度に対する世間の認知不足から生じていることが分かります。
第1の要因は、通信制高校の枠組みでありながら私立全日制高校と同等以上の学費がかかる点です。一般的に「通信制=学費が安い自学自習の場」と認識してパンフレットを取り寄せた保護者が、週5日通学型コースの年間納入金(80万〜100万円超)を目にして「通信制なのに高すぎてやばい」とネット掲示板やSNSに投稿するケースが後を絶ちません。この費用の内訳については後述しますが、手厚い通学指導料が上乗せされる構造を事前に把握していない層の驚きが、ネガティブな拡散を生んでいます。
第2の要因は、通信制の固定観念を壊し続ける「派手な実績」に対する反動です。同校は北海道深川本校の硬式野球部が北北海道代表として甲子園春夏通算複数回出場を達成したほか、多くのトップアイドルや人気俳優を輩出してきました。これに対し、「通信制なのに甲子園に出るのはずるい」「芸能人御用達の学校だから校風が乱れているのではないか」といった、旧来の全日制至上主義者によるやっかみや偏見が混ざり合い、根拠のない憶測へと発展した背景があります。
第3の要因は、全国50拠点以上に広がるキャンパスごとの「生徒層・指導体制のローカル格差」です。都市部の大規模キャンパスでは難関大進学や専門スキルの習得に特化した規律ある環境が整備されている一方、地方の小規模キャンパスでは不登校からの社会復帰を主眼に置いたアットホームな運営が主流となるなど、拠点によって学校の空気感が大きく異なります。転居や比較検討の過程で「思っていた雰囲気と全く違った」と感じた元生徒の書き込みが、全体を十把一絡げにした「やばい噂」として一人歩きしているのが真相です。